損得勘定

投稿者: | 2021-02-24

 やらなければならないことが沢山ありすぎて、どれから手を付けて良いか分からないということがある。途方に暮れつつも、「やるしかない!」と気合いを入れ直し頑張る。そんな時は仕事を任され、期待してもらっていることに嬉しさも同時に感じている。もう一方で「自分から仕事を創る」という仕事もある。ここでは顧客に新しいプランを提案するという意味ではなく、言わば自分で自分の首を絞める部類の仕事として書いている。成功しても売上アップにはならず、お客様や一緒に働く人たちのために尽くすという行為だ。「顧客サービス」というほど軽い意味ではない。心と身体と時間を尽くしても出来るかどうかのギリギリを検討する。勇気も間違いなく必要になる。

 仕事をもらっている立場上、まず第一は、決められた納期までにきちんと仕事を完了すること。ビデオであれパンフレットであれ、納品物を期日までに搬入することはプロとしては最低限の役目だ。第二に、納品物の品質を上げたい。お客様から言われたことに従順にやっていけば約束した料金は頂戴できる。しかしそれだけでは、また次の仕事を発注してもらえるかどうかの決定打にはならない。お客様の満足度を上げないと契約の継続はままならない。それに言われたことをやっているだけでは私が楽しくない。誤解を恐れずに言えば、お客様からお金をもらって遊ばせてもらっているわけだ。そのくらいの遊び心と気持ちにゆとりがないと、なかなかクリエイティブな仕事は難しいのではないかと思っている。第三は、これは制作側の問題になるが、キチッと採算が合う仕事にすることだろう。あれもこれもやりたいとお金を使い過ぎるようでは、私はビジネスではないと思っている。私が地元の映像業界に入った20数年前はこの辺が大雑把で、バブルを経験した先輩たちの仕事のやり方は非常に納得がいかなかった。会社という組織の中で仕事をしているなら一人一人が社長になったぐらいのつもりでやらないと、経営がうまく行かなくなっていくと考えている。当然すぎるくらい当たり前の事だ。

 話変わって、上記の「仕事を創る」仕事というのは、納期も品質も予算も全て自分次第で決められる、いや決めなくてはいけない仕事になる。もはや私はそれを「仕事」とは呼びたくない。つまり予算はゼロで、ビデオ機材使用料などの経費は持ち出し。自分のやる気、サービス精神次第。納期もクオリティーも私次第。私がOKならOKで、お客様が気に入らなければ廃棄でお蔵入り。ただそれだけ。恨みっこ無しで、単に採用されれば私が嬉しく、ダメなら悔しい思いをするだけ。まぁ、良いものが上がれば私の評価も上がるかもしれないが、それは保証のない賭けになる。リスクを背負うのは私だけ。そう、やるかやらないかも私の“自由”。

 自由を得るには責任を果たさなければならない。責任とは日常の勤めを怠らないことであり、個人的には固定売上を確保すること。その上で自分の残った時間と能力を使って、プラスアルファを生み出せるのであれば、それは“自由”な仕事だ。そしてその仕事を完遂出来るのなら、きっとお客様に利益をもたらし、引いては自分の利益・やりがいに必ず繋がっていく。そう信じて、さぁ勇気を出してリスクを拾いに行こう!

 武勇伝だけでは食っていけないよ。

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