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投稿者: | 2021-04-04

 昨晩のスイミングスクールで、ある49歳の水泳未経験の方が体験レッスンということで初めて参加された。年度の初め、そういった新しい人の新しい試みがあちこちで見られる季節だ。インストラクターが「あちらの方、49歳なんですよー」と、たぶん“凄いでしょ!?”という意味合いで私たちに教えてくれた。たった4カ月前に53歳で同じような状況だった私にそれを言うのか!?と、つんのめりそうになったが、私のことは置いておいて、49歳で未知の何かに挑戦しようとすることはそれだけで称賛に値する。
 あくまでも予想でしかないが、もしかしたらお子さんが大きくなって、手やお金がかからなくなって、少しご自分の生活に余裕ができての試みかもしれない。もしくは体力の著しい低下に気づき、これからの人生を考えた時に、恐ろしくなって動かずにはいられなかったかもしれない。そういう意味では“お年頃”の年齢ではある。とにかく私は彼を応援する気持ちは強い。体験だけで終わらなければいいが。

 ジャッキー・チェンさん主演の「ザ・フォーリナー/復讐者」という映画を観た。いわゆるアクション映画で、ストーリーについては、特に驚きや勉強になる部分はなかったように思う。品質的にはお金もかかっていそうで、撮影・演出・演技を視てもしっかり作ってあるし、娯楽としてとても楽しめる映画だ。ただ暴力シーンが苦手な方にはお勧めしない。よってこの映画をネタに今日書けるかどうか迷ったのだが、観終わって一番印象に残った思いを書いてみようと思う。ジャッキー・チェンさんの奮闘ぶりだ。

 3日後に67歳になるジャッキーさんのアクションは、凄い。どのくらいスタントマンを使っているのか、合成やCGを使っているのか調べてはいないし分からない。ジャッキーさんの映画はスタントマンを使わないことで有名だが、後ろ向きで殴られる時に、本人じゃないような気がしたシーンがあった。彼のことだから、現役で出演している以上、全部自分でやっているかもしれない。森の中でのハンドスプリングは本当にやっているように見えた。このシーンは「ジャッキーはまだまだ元気だよ!」という、ファンへのメッセージのように感じている。ありがたい。
 役の設定が、高校生の一人娘を殺された60代の退役軍人ということで、見かけをわざと老けて疲れたように見せている。故意かもしれないのでひとえには言えないが、全盛期に比べて動きのスピードは確実に落ちたし、キレも今一つに感じた。その“錆び方”が現実的で、絶妙なうまい演出になっていると思う。
 錆びた中でも昔から彼の得意の形も見せてくれた。相手と向かい合って近距離にいるまま、左右のジャブを相手の胸へ連打するシーンは、私を一瞬映画から離れさせ、かつて彼の映画に夢中になっていた頃へタイムスリップさせた。自分の口元に自然と嬉しさが浮かんだのがわかった。彼は間違いなくまだ現役だ。

 スイミングスクールで、私はまだ初心者クラスにいるのだが、上級者クラスで悠々と泳いでいらっしゃる71歳の先輩が、昨晩も元気な姿をみんなに見せていた。水泳歴20年以上だそうだ。実際、その先輩がどういう方か深くは存じ上げない。けれどもあの姿を見るだけで、感銘を受けるし、充分尊敬に値する。偉そうなことをどんなに並べても、あの後ろ姿以上には語れないようにも思う。

  勇気と励ましは色んなところに浮かんでいる。

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