品性(その二)

投稿者: | 2021-04-10

 昨日「品」について書いた。そして今朝、どうも目覚めが悪かった。昨日の書いた内容が気にかかって、夢を見ていたのかもしれない。「あれで伝わっただろうか?」。何か煮え切らないようなイメージがある。一応「一日で読み切り」の形で今まで続けてきて、申し訳ないのだが、今日は続きを書かせてもらう。説明しがたいけれど、私にとって「品」は大切なものである。

 「品」という言葉を英語でどう言うのか、辞書を引いてみた。どうもしっくりこない。「character」、「morality」、「dignity」、「prestige」、「honor」、「pride」等々。私の感覚で、どの言葉も間違いじゃないけれど物足りなく、当たらずも遠からずといった感じ。わびさび等と同様、日本独特の感覚なのだろうか。または私独自のものか?
 私の「品」の裏側には、私の「理想」や「憧れ」が潜んでいるような気がする。砕けた言い方で、「カッコよさ」とも言える。「こうでありたい」という「なりたい自分の姿」を追いかけているのかもしれない。
 しばらく前のNHK連続テレビ小説で、幕末から大正にかけての時代を描いた「あさが来た」というドラマが放送されていた。その中で俳優の玉木宏さんの動き、所作が非常に「品がある」と当時評判だった。玉木さんは全編にわたって着物姿で出演していたのだが、確かに、良かった。品があった。私が大切にしている「品」とは、そういう細かい所作の部分に至るまでの範囲を示していると、ここに加えておきたい。

 文章を連ねてうまく伝えられる自信がない。よって私の「品性」に対するイメージを単語で並べてみる。丁寧、毅然とした、すり寄らない、私欲に走らない、中立、平等、優しい、愚痴らない、言い訳をしない、弱い者の味方、つつましい、大声を出さない、落ち着いている、優雅、清々しい、敬語、芯の強さ、寛容、曲線的、引き際、とまぁこんな感じだろうか。決して裕福である必要はないし、高学歴の人に限定されるものではない。誰でも“まとう”機会がある性質のものだが、難しいパートは、これらすべてに「私の」という接頭語が乗っかるところだ。私の好み・センスに沿った風合いを伴った、丁寧さや毅然とした~でなければならない。
 こう書いてしまうと、私が尋常ではない気難しがり屋に思われてしまうのは覚悟している。けれどもそれを恐れていると、せっかく恥部をさらけ出してまで伝えようとしている試みが薄っぺらに終わってしまう。そちらの方がもっと嫌だ。

 では今「自分に品があるか」、と聞かれたら、「目指している」と答える。実際私に品があるかどうかは他者に評価していただくしかないと思っている。「自分には品がある」なんて言える人は、品がない。
 二日間にわたって書いてきたが、私が「細かくて気難しい、品のないおっさん」であることを暴露してしまったような結末を迎えた。良かったのだろうか。今日も書き出した時は想像もしていなかった締め方で終わる。でも恐れずに、立ち止まらずに、歩いていきたい。

  ところで、私の「品」は伝わったんだろうか。

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