眠り

投稿者: | 2021-06-09

 私はどこでも眠れる。旅先でも、誰の枕でも、テントの中でもどこでもスヤスヤ眠れる。眠るのは得意な方だと思う。夜は本を読んだりビデオを観たりしてなるべく遅くまで起きていたいと思うのだが、いつの間にか寝落ちしてしまうのが常だ。だから眠ることが好きとは言えないが、テクニックと言うか、眠るのがうまいと思う。
 ちょっとした間でも居眠りできる。医院で診療を待つ間に待合室でちょっとした仮眠を取ったり、仕事中でも疲労を感じたときにデスクの上に思い切って突っ伏して、5分か10分か大胆に居眠りしたりする。スッキリしてこれがとても効果がある。そのまま疲れを感じながら力むより、一回自分を再起動するとシャキッとリフレッシュできる。

 休みの日の朝は2時間~3時間ほど平日より遅く起きることが多い。本当にフリーで何もしなくていい時は、寝転がって目をつぶったりビデオをボ~っと眺めたりを繰り返し、半寝状態のまま一日中ゴロゴロしているときもある。これが無いと平日の行動が辛い。土日も何かと忙しかった週末を過ごし、翌月曜日の朝起きたときに疲れが残っているのを感じると、向こう一週間は頭も身体ももう一つ動きが鈍くなってしまう。根性で補おうとするが、目が血走って、なかなか隠し切れていないかも。歳のせいにはしたくないが、そういうお年頃かもしれない。
 それだけ「しっかり眠ること」は体調維持には大切なことだ。それでも隙あらば夜更かししようとしてしまう自分にあきれてしまう。闇夜には健全な思考を阻害する魔物が行き交っているようだ。

 そんな私でも稀に眠れないときがある。中途半端な時間に気絶するように眠ってしまい、真夜中に突然目が覚めてしまった時などがそうだ。「頑張って0時くらいまで起きていればよかったのにな~」といつも思うが、後の祭りで、明け方まで色々考えごとをしながら過ごさざるを得なくなる。「これでは疲れが取れない」と焦れば焦るほど目が冴えてきてしまう。
 そういう時の頭の回転はすごく速いというか、研ぎ澄まされた感じで、とても集中力が高まっている印象がある。めくるめく思いや記憶の切れ端が、とてもスピードの速いスライドショーのように、右から左へ脳裏を走ってゆく。あまりの速さ、情報量の多さに「人間の脳ってすごい能力だな~」と他人事のように感心してしまうことさえある。
 覚えていられないくらいの情報量の多さに接し、「眠りから目が覚めた時に、見たはずの夢を覚えていない」時の戸惑いと近くて重なる感覚を思い出す。そう感じたとき、自ずと推測を立てたくなった。「脳は常に記憶に留めておけないほどの情報を処理しているが、人間はそれを起きている間は自覚できないでいる。それが半寝のような何の束縛も無い心が解放された無防備の状態においては、ある程度認識できるのではないか」、と思う。

 「思いや記憶の切れ端」を『潜在意識・深層心理』、「半寝状態」を『催眠状態』と置き換えることができるのなら、上記の文章は心理学系の何かの本で読んだような内容に近くなる気がする。心理学に大変興味はあるが、真剣に掘り下げて勉強したことがないので、これ以上の裏付けの無い言及は避けたいと思う。しかし純粋な私の経験からの推測として、自分の潜在意識にアプローチできるヒントを得たように思っている。私は自分の潜在意識というものに非常に関心がある。

 長年不眠症に苦しむ人の辛さが想像できない。

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