以前にアメリカの俳優のブラッド・ピットさんが何かのインタビューで言っていた。「イケメンはハリウッドにゴロゴロいる。その中に埋もれてしまわず、どうしたら使ってもらえるかを考えた」。映画の都「ハリウッド」には、世界中から野心に満ちた“いい男”が集まり、何とかして世に出ようと試行錯誤を重ねながらチャンスを窺う。演技はもちろん、ダンスやアクション、またトレーニングで肉体美を磨き、歌や楽器の演奏を習う人もいるかもしれない。私の想像なんかが及ばないような、厳しい勉強や役作りなどの努力がなされているのだろう。そういうことを何年も続けて、ようやく起用されるかどうかくらいではないか。いわゆるスターと呼ばれる人たちでも、最低でもだいたい30歳くらいにならないと主役の座は射止められていない印象だ。
アメリカでは「強くてたくましいお父さん」タイプの俳優がよく起用されていると思う。そういう設定が一番無難なのだろうか。どの時代背景であろうと、仕事や家庭などの問題に絡めてストーリーを展開していこうと思えば、経験があり使命感に満ちた「父親」が最も画になるのかもしれない。ブラピは比較的若くして出てきたような気がする。最近はジェラード・バトラーが一番気になる。ブルース・ウィルス、メル・ギブソン、ラッセル・クロウ、トム・クルーズ、ウィル・スミス、ジョニー・デップ、ヒュー・ジャックマン、ジェイソン・ステイサム等々、思い浮かべるとちょっと書き切れないことに気づく。それぞれ個性があって素晴らしい俳優ばかりだと思う。我らが真田広之さんもその中に交じってかん~なり奮闘している。頑張って欲しい。
日本に10代の可愛らしい男の子たちをスカウトして歌手グループを組ませ、芸能界にデビューさせることに長けた芸能プロダクションがある。100名弱のタレントを抱える、業界では屈指の規模を誇るプロダクションで、放送業界をはじめとするエンターテイメントの世界において、様々な方面で多大な影響をもっているそうだ。所属するタレントさんには中学生年代か、下手をしたら小学生時にCDデビューする少年もいる。彼らの周りには年齢を問わず多くの女性ファンたちがいつも取り囲んでいる。羨ましい限りだ。
こういった10代の男の子たちに女性が群がるというのは、韓国や中国などでもありそうで、アジアに特有の現象なのかなと思う。その他の地域のことは確認していない。それにしても特に歌やダンスが上手いわけではなく、素人同然の少年たちがある日突然スターダムに奉り上げられていく様は、私には極めて異様に映る。生まれ持った「かわいい」とか「カッコいい」とかというビジュアルだけで人気が集まってしまう、大げさに言えば「国民性」に危うさを感じるのは私だけだろうか。
男性の“モテるタイプ”はその国の女性たちが創るそうだ。アメリカであればマッチョな男性が好まれるそうで、なるほどトレーニングジムが活況を呈し、街には多くのマッチョマンが闊歩している。仮に本を読む男性がモテる国では、恐らく男どもはみんな本を読んでいるだろうということらしい。日本では生まれ持った美しさに女性の関心が集まるということだろうか。来世はぜひ違う国で生まれたい……、かな?
いつか「女性アイドル」についても書いてみたい