投稿者: | 2021-09-11

 大リーグのアナハイム・エンジェルス、大谷翔平選手が先発ピッチャーとして今日の試合に出場している。2番ピッチャー大谷。私の常識では、先発ピッチャーが打順2番で打席に入るというのはちょっとない。それだけ彼が打線の中でも2番として普段から重要な役割を担っていて、外せない存在だと証明している。
 対戦相手はエンジェルスと同じアメリカンリーグ西地区で、現在2位に5.5ゲーム差をつけ首位を走るヒューストン・アストロズ。詳しい人には言わずと知れた強豪で、今年もワールドチャンピオンを狙っているかなり強いチームだ。場所はヒューストンの本拠地で行われ、つまり大谷選手とエンジェルスにとってはアウェイの試合になる。ということはエンジェルスの攻撃は「表」の回の攻撃になるので、大谷選手はマウンドに上がる前に、1回の表にまず打席に入ることになる。

 試合が始まってからまだ間もない時間帯のライトスタンドに、快音を残して大谷選手が放った弾丸ライナーが突き刺さる。第1打席にマークした今シーズン44本目の見事なホームランだった。四月からもう44回目の出来事なので、そろそろ見ているこちらも慣れても良さそうなものだが、彼が打つごとに感激が増していくような気がしている。アメリカでまさか44本もホームランを打つ日本人が現れるとは夢にも思わなかった。本当に凄い。パワーとしなやかさを兼ね備えた稀代のホームランバッターだ。

 ピッチャーとしての調子はこの日振るわず、もちろん強力なアストロズ打線を抑え込むことはどんなに能力のある投手でも難しいことで、結果的に打ち込まれて負け投手になってしまった。残念だった。
 野球好きの私ではあるが、大リーグや日本のプロ野球もほとんど観なくなってしまった。ニュース番組やYouTubeのダイジェストシーンで情報を仕入れている。高校野球だけは地元の代表チームの試合はたまに観る。大谷選手が先発した試合を観たのは、実は今日が初めてだった。とにかく目が離せない。気が抜けるのは唯一エンジェルスの攻撃時で、大谷選手の打席がまだ遠く、回ってこないだろう時しかテレビの前を離れられない。かと言ってエンジェルスの攻撃がたんぱくに短時間で終わる時も油断できない。大谷投手のイニングが始まる前の投球練習から一挙手一投足がキラキラ光っている。私は彼のこの瞬間を歴史の証人として目に焼き付けたい。

 彼がノックアウトされて早々に試合から姿を消してしまったので、結局5回くらいまでしか中継を観なかったが、それでも休日の午前中に久しぶりに野球を観ながらワクワクドキドキ楽しめた。
 画面越しに見えたアメリカのお客さんたちも、地元チームが優勢だったこともあり、非常に楽しんでいるようだった。ヒューストンの方たちは誰一人マスクをしておらず、ビールやジュースを片手に楽しそうに観戦していた。全体的に「超満員に埋まった」と言えるほどギュウギュウ詰めではなかったが、アメリカでは少しずつ日常が戻ってきていることを感じた。そんな中で日本の勇者がその中心にいて活躍していることが誇らしい。
 ここにきてホームラン王争いが熾烈を極めてきた。大谷選手は今日時点で2本差をつけてリードを保っているが、あっても無いにも等しい差でしかない。もしホームラン王のタイトルを獲れなかったとしても、彼の偉業に影を落とすことはないだろう。しかしやっぱり欲しい。我々は日本人が大リーグでホームラン王になる瞬間を目撃できるかもしれないのだ。歴史の新しい扉が開かれようとしている。ダメだったとしてもここまでやってくれたら申し分ないのだが、どうかどうか、ケガと故障だけはしないように願っています。

 多くのアメリカのファンに彼が愛されていることが嬉しい

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