Sonnet

投稿者: | 2021-09-23

 実は、中学や主に高校の頃だったかな、「さだまさし」さんが好きだった。このブログでは一応“洋楽好き”で当初アピールしていたと思うが、実際自分の感覚としても往年の「ベストヒットUSA」という小林克也さんが司会をしていた音楽番組を毎週楽しみにしていたように、洋楽の大ファンだったと捉えている。でもさださんも聴いていた。
 当時のさださんは「関白宣言」という大ヒット曲を世に出し、国民的な人気を欲しいままにしていた。その年のNHK紅白歌合戦では長時間に及ぶ番組の中で、さださんの関白宣言を聴かせることが中心の構成になっていたように覚えている。白組のさださんが歌っているのに、紅組の女性陣がさださんを取り囲んで応援に回っていた。決して美男子なさださんではなかったが、楽曲はしっかりと女性の心をつかんでいるという演出だったかと思う。テレビを観ながら、さださんが出てくるのを楽しみにしていたのは多分私だけではないと思う。今風に言えば、あの時の流行ぶりはちょっとした社会現象だったかもしれない。家庭内の夫婦関係の在り方の是非に一石を投じた楽曲だった。

 「秋桜」というさださんの曲がある。さださん本人よりも山口百恵さんが歌って有名になった。素晴らしい曲だと思う。当時よりも大人になってから聴いた方がよりグッとくる曲。お母さんが娘が嫁ぐときにこんな曲を聴かされたら、たまらんと思う。
 「関白宣言」や「秋桜」はメガヒットだったが、私が好きな曲は別で、「雨やどり」、「案山子」、「防人の詩」、「道化師のソネット」等々。ファンでないとあまり知らない曲ばかりかもしれない。今書くのを止めてYouTubeで一通り聴いてみると、やっぱり感動する。いや、改めて僭越ながら、さださんは凄い。涙なくしては聴けない。もう忘れてしまったが、恐らく「私花集(アンソロジー)」というアルバムを聴いていたのではないかと思われる。当時はLP版だった。カセットテープに録音して、擦り切れるほどに聴いていた。
 余談だが、大事な曲は奮発して「メタルテープ」を使っていた。メタルテープが何かの説明は割愛する。カセットデッキは「AKAI」製だった。

 当時は「さだまさしのファンだ」っていうことを、あまり言わなかったんだと思う。何故って、ちょっとダサいから。ホントは好きなくせに隠していた。あの時代、そんなことを言えばバカにされそうな雰囲気は確かにあったと思う。どうしてもっと素直に生きられなかったのだろう。誰が何と言おうが、かまいやしないじゃないか。でもそういう年頃だった。ロックンロールに生きたかった。オフコースの名前は出せても、さださんはちょっと無理だった。さださん、ごめんなさい。
 一番好きな曲は「主人公」。「♪小さな物語でも、自分の人生の中では、誰もがみな主人公」という歌詞に何度励まされたか分からない。ちょうど思春期にさださんの曲に出会えてラッキーだった。とても感謝している。

 中学とか高校の時は、その時は気付きようもないけれど、本当に多感で貴重な時間だと思う。感受性が研ぎ澄まされていて、あらゆる刺激をバンバン体内に取り込んでいく。そんなことはそれ以降の人生では起こらないと思う。だからこそ引きこもらずに、思いっきり感じて楽しんで欲しい。カッコつけずに好きなものを好きと叫んで欲しい。好きと思うものがやがて自分を作っていく。

 一回くらい、コンサートとか行けばよかったな~

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