「薬用ボディペーパー」という優れものがある。私はほぼ毎日のようにお世話になっており、先日もお気に入りのメーカーの30シート入りのタイプを4つ購入したばかりだ。仕事場と自宅に置いていつでも使えるように準備している。最近ではちょっと手放せない存在だ。「氷冷」や「極サラ」等という爽快さを売りにしているタイプや殺菌力の強さを謳ったもの、また美肌効果をアピールしている種類もあり、様々な商品が出回っているようだ。実際私もこれだと思える商品に出会えるまでは、何種類も買って試してみた。各社が商品開発に相当力を入れている様子が窺える。恐らく売れているんだろう。
きっかけは炎天下のグラウンドで野球の練習をしている時だった。休憩の時に練習仲間の一人が「これ使いますか?」とそのボディペーパーを勧めてくれた。使ってみると汗を拭くことはもちろんできるわけだが、驚いたのは“ひんやり”感だった。首筋に氷でも当てたかのようにスッキリとした刺激が走り、汗を拭きとるだけでなく、ドンドン汗が引いていくような気がした。「これは凄い!」。私の常識では、クーラーボックスなどを使って広いグラウンドのベンチまで氷水を持ち込み、その中に浸したおしぼりを絞ってすぐに体に当てないと、このスッキリ感は得られない。結構な労力が必要だ。そんな大事にも等しい仕事を彼はいとも簡単に、ポケットティッシュから一枚ティッシュペーパーを引き出すような感じで、あっさり実現してしまった。ちょっとした魔法だった。あまりにも衝撃的だったので、「これ劇薬じゃないか?」と警戒心を持ったことは持った。
歳を取ったということもあるが、それだけでなく、私は昔から「脂性」なのかもしれない。よく若い女性が「おじさんてギラギラしてる」等と言ってバカにしているが、多くの中年の男性は顔をテカらす脂分が気になっていると思う。特に私の場合、スキンヘッドに、つまり頭皮がむき出しになっていることもあり、首から上がやたらとテカる。「頭に何か塗っているのか?」と疑われたことさえある。昔の学生帽のように卵の白身を塗って、わざと自分の頭を光り輝かせる輩がいるとは思えないが。とにかく脂っぽいのだ。
その悩みをこの薬用ボディペーパーは瞬時に解消してくれる。見た目的に解消されていると思っているのは私だけかもしれないが、少なくともベタつきは確実に取り去ることができる。脂ぎってきたからと言って、職場の洗面所などで頭を洗うわけにはいかないし、ホントに洗おうとしたら辺りがビショビショになって大変だ。面倒臭い。だから私にとっては本当に救いの一枚なのだ。
成分まで調べてはいないが、あれだけスッキリ脂分を拭い去ることができることを考えると、ボディペーパーの“劇薬疑惑”は拭えない。使い勝手が良くて便利なのは申し分ないのだが、そういう何か引っかかっている部分はある。では他にボディペーパーを使わずスッキリする方法はないだろうかと考える。「そうだ!脂が出ない体質に変えればいいんだ!!」と一応答えは出してみたものの、方法が分からない。ベジタリアンにでもなって、体に入ってくるところから脂分を防いでみようか。いやぁ~!?
いやぁ~!?