蝶々

投稿者: | 2021-12-03

 スイミングスクールに通い始めてちょうど1年が経った。自分の老いとあまりのできなさに愕然とするばかりだが、まぁ、努力とまで言えるかどうかは疑問だが、重ねて頑張ってきた。まぁ、少し上達したとは思っている。1年という区切りが理由としては大きかったし、正直あと何年も通うつもりはなく、後悔する前に今回思い切ってクラスを一つ上に上げてもらった。初心者から卒業したというわけだ。インストラクターから許可をもらわないと上がれないのだが、OKということでホッとしている。

 クラスを上げたもう一つの理由は、バタフライを教わること。初心者コースでバタフライ泳法を教えてくれるなら昇級する必要はなかったのだが、残念ながら私にカリキュラムの操作権はない。バタフライだけは上の段階からなのだ。クロール、平泳ぎ、背泳ぎとそれなりにできるようになってくると、ちょっと欲が出てきた。今までやったことのない泳ぎ方に興味が湧いてきたのだ。バタフライができるようになれば、後はスクールではなくてもどこかの市民プールで自己練習を積み重ねて、また上達を目指せばいいかなと思っている。そしていつか小笠原へ。

 ということで、今日が初の中級クラスでのレッスンに相成った。インストラクターも変わり、クロールなど今までとの教え方に多少違いがあったが、それは想定の範囲内の微差で問題はなかった。返って新しい部分を指摘され勉強になる。非常に積極的で元気な女性の先生で、私の腕などをガバッとつかんで指導するのだが、若い女性に腕を握られたのに赤らむ暇もなくドンドン指導されていく。淫らな思いを恥じた。
 さて、問題のバタフライの指導に入った。全く、全く歯が立たなかった。ちょっと舐めていたんだと思う。でもスイミングスクールに所属していながらにして、新しい泳ぎ方を事前に慣らしておくというのも変な話で、必然的にぶち当たった壁と言えるのかもしれない。何しろ何が何だか、自分が何をしようとしているのかさえ、とにかく爆笑してしまった。両手を蝶のように広げて前方へ回し出そうと思うのだが、両腕を全然水面上に出せない。水中でジタバタしている感じ。外から見れば潜水泳法でもしているのかと思うと思う。顔も上がらないから息継ぎもできないし、一生懸命になればなるほど混乱していった。あまりにもできないので、他のメンバーに申し訳なくて、まいった。舐めきっていたことを悔やんだ。

 クロールの動きを私なりに“掴む”まで、結構いつもイメージトレーニングをしていたと思う。息継ぎの時の腕を上げる角度はこの位で、顎を引いて目線はあの辺で力を抜いて等々、ここのところ仕事中でも気がつくといつも水泳のことを考えていた。これからしばらくはバタフライのことで頭が占領されそうな予感がする。
 まだ掴むどころか掴みどころのない漠然としたイメージしかなく、クロールの最初の時とは比べ物にならないくらい戸惑っている。でもそのことを考えると、周りに誰もいないのに不敵な笑いがこみ上げてくる。久しぶりに太刀打ちできない程の強敵が目の前に現れた。インストラクターに“泣き”を入れたら、「週2で1年練習すればできるようになります。頑張りましょう!」と言ってくれた。いま結構忙しくて水泳などに興じている場合ではないのだが、多分きっと頑張ってしまうだろう。私のことだから。

 キレイに泳げたら、多分かなりカッコいい泳ぎ方だと思う。

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