不整

投稿者: | 2021-12-06

 整理整頓されているデスク周りに憧れる反面、少し雑多な風景に安心感を覚える自分がいる。なかなか物を捨てられない性格が災いしているせいか、「もしかしたらこれも何かに使えることがあるかもしれない」等と考え、食べおわったフリスクの空き缶なんかも捨てられずにずっと目の前に置いてある。粗品でもらったタオルやメモ帳、コンビニでもらったプラスチックのスプーンや割り箸、街頭で受け取ったポケットティッシュ等々、「役に立つ時があるかもしれないグッズ」が所狭しと鎮座している。もちろん頃合いを見計らってキレイにしてはみるのだが、その状態が長く保てない。どうしたものか。

 先日税理士から連絡があり、年末調整で必要な生命保険関係の葉書が届いているはずだと言うことで、必死に探してみるのだが見当たらない。私のことだから捨てると言うことはまず考えられない。さて、ではどこにあるのか。山積みとまでは言えない高さに積まれた郵便物の小山を崩して探ってみるが、そこでもない。「おかしい、郵便物は全てここにあるはずなのだが……」。猶予があまりなかったので、仕方なく生命保険会社へ電話して再発行をお願いした。
 その電話を切ってハッと気がついた。「もしかしたらあそこかもしれない」。財布や免許証などが入れてあって毎日持ち歩いているバッグの中を当たってみた。するとその葉書は領収書や預金通帳等に挟まれて、折れないようにきちんと大切そうに保管されていた。その葉書が届いた時に、それが何を意味するものなのかは全然分からなかったが、直感的に「これは必ず必要な物だ」と思い、最も大切な物をしまっておく場所に格納していたのだった。
 部屋が散らかっていても、どこに何があるかはおおよそ把握しているつもりだ。けれどもあからさまに必要な物はもう一番そこしかないという場所に隠しておく癖があり、一度隠してしまうと安心するのか忘れてしまう。慌てて生命保険に電話をかけ直して、混乱させたお詫びを告げた。

 要は私は大雑把で面倒くさがりなんだと思う。細かいことをキチンと整理して処理できない。それでいて変に記憶力に自信があって、何でも覚えていられるつもりになっている。挙げ句に他人に迷惑をかけ謝罪している始末だ。どうもうまくない。
 しかし変えようと思ってもそんなにすぐに変えられるものではないだろう。というのも、どこかで自分で「別にいいじゃん」と思っている節がある。「誰かにそんなに大迷惑をかけてるわけでもないじゃん」と、そんな感じで開き直っている。だらしのない話だが、この部分に関しては正直、問題意識が希薄だ。

 常に「手ぶら」を好み、メモを取らず、片付けができない性格。とても事務方の仕事ができる人間ではないように思える。いくら仕事だからと言っても、適正というものがあるだろう。でも実際はデスクワークが多くなってしまっていて毎日スーツを着て仕事をしている。本当のことを言うと、キチッとネクタイなんて大っ嫌い。
 先日の週末に二日連続である研修会があり、休日だったのでジーンズとラガーシャツで参加させてもらった。凄く開放感があって楽に感じた。だからというわけではないが、肝心の研修会がとても充実したものになった。もう何年もスーツで仕事してきて今更なのだが、大切なものを大切にできていたり、しっかりやることをやれていたりすれば、その他のことはそんなにキツく型にはめなくてもいいんじゃないかな~。ダメかな~?

 オレ、無理して生きてるな~

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