柔軟性

投稿者: | 2021-12-07

 私はいわゆる体が硬い。物理的に具体的に硬い。柔軟体操で床に座り、両足を伸ばした上に胸を被せるように前屈しようとすると、笑っちゃうくらい曲がらない。横から見ると上半身と足の角度が、まぁ直角とは言わないが、感覚としては近いものがある。足首を掴めれば上出来。でもそこまでなかなか曲がってくれない。膝裏が床から離れ気味でプルプル震えているのが分かる。昔は膝に胸をつけるところまではいかなくても、かかとに両脇から手を伸ばして触れられていたような記憶がある。本当に硬くなってしまった。

 開脚の姿勢はもっと悲惨で、痛くてぜんぜん足を開けない。90°開いていないと思う。足が開かないし、体も前に倒せないし、左右にも曲がらないし、もう大変なことになっている。柔軟体操をしていても、傍から見るとすごく動きが小さくなってしまっていると思う。イメージとしては木製のあやつり人形になってしまったような感覚。いや、人形の方が私より関節は柔らかいかも。
 マット運動の「開脚前転」が大の得意だった。現状を考えるとちょっと信じられないくらい股が開いていた。足を閉めて膝を曲げ、両手をついて前方に転がり、一回転して頭が起き上がってくるタイミングで開脚しそのまま立ち上がる。立ち上がった時には、股間の直下部分の床に両手をつき全身を支えるのだが、両手を使わなくてもいいくらいにバランスを取れていたように覚えている。後ろ回りも同様に好きだった。多分クラスの中でもうまい部類だったと思う。そんないい思い出があるだけに、現状が悲しいのだ。
 柔軟体操なんて何年もやっていなかったわけで、ランニングの時も屋外で座ってまではしておらず、一年前から水泳を始めたおかげで今の自分の「硬さ」を思い知らされた次第だ。毎回のレッスン前にする準備運動で発覚した。硬くなっているだろうなとは薄々分かっていたが、ここまでとはさすがにショックだった。特に股関節の硬さは平泳ぎでは致命的に思える。

 もう一つ、水泳では肩甲骨を柔軟に大きく動かすことを盛んに指南される。これがまた私にとってはかなり厳しい。簡単に言うと肩が上がらないのだ。両手を重ねたまま天へまっすぐ伸ばした両腕をそのまま耳の後ろまで持ってこさせようとしたり、顔の前で手首から肘までピッタリ合わせた両腕をそのまま上方へ上げさせてみたりする。正直できない。これができると一つ一つの腕の「かき」が大きくなり、水をたくさん取り集めることができる等いろいろ利点があるそうだ。飛び込みやターンの時に良い姿勢を保つことができることは明白だ。
 この肩甲骨の柔軟性を追求したことは今まで一度もない。長いこと野球に携わってきたが、そういう部分を鍛えようと思ったことはなかった。でも水泳のことだけではなく、肩甲骨の可動域が拡がると肩こりや首の疲れなんかにも効果があるのではないかと感じる。

 ヨガをやってみたい。随分前から興味があったのだが、それよりもやりたいことがたくさんあったので後回しにしてきた。ヨガをしている人と最近知り合いになって話を聞くと、股関節と肩甲骨は重点的にやっているらしい。基本的な「硬さ」についても当然改善が期待できるし、水泳との組み合わせは多分かなりベストマッチな予感がする。問題はお金と時間。水泳もヨガもとなると予算オーバーだ。だから水泳を卒業してからヨガとも思うが、相乗効果がいいのだろうと思うと勿体ない気もする。これ以上忙しくなるのも恐いし、さて、どうするか。やってみたいのはやまやまだが。

 オレはどこへ向かっているんだろう?

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