揺らぎ[Fluctuation]

投稿者: | 2022-01-28

 我ながら凄いことができてしまう時がたまにある。凄いことと言っても、一般的には恐らくまぁ大したことではないのだが、凡人の私としてみればちょっと意外なくらい良くできることがある。仕事が凄く「早く」こなせたり、とても「上手く」ものを作ることができたり、プレゼン等で非常に効果的なパフォーマンスを披露できたり。本当にたまにしかそういうちょっとした奇跡みたいなことは起こらないのだが、少ない回数だとしても確かに起こってしまうことで、私は勘違いしてしまう。「オレって能力が高いんじゃない!?」と。
 けれどもそれでいい気になって調子に乗ってしまうようなことは、もうほとんどない。所詮そういう時、私の場合は仕事関連であろうとプライベートであろうと、数人が絡んだ場での出来事ばかりであり、大きなお金や人数が動くようなことにはならない。調子になど乗りようがないというのがホントのところだ。心の中でささやかに拳を握るくらい。小さな自己満足を感じているだけ。

 ただそんな些細な驚きがとても嬉しく感じられる時が多い。普段は自分を「ダメな奴」と捉えているつもりだからだろうか、何となく誇らしくもある。やはり心の奥底ではダメな奴などとは思っていないのだろう、何物にも動かされないような鉄のプライドが私の根底に眠っていると感じる。そこが壊れるなり溶けるなりしないと、私は変われないのだろうと推測している。

 一方でどうしてこんな簡単なことができないのだろうと落胆することがある。割合としてはこちらの方が圧倒的だ。やってしまえばどれだけ気持ちが楽になるか分かっているくせに、どうしても動けない。そういうことって私にしか起きないことなのだろうか。不思議なくらい弱気で責任から逃れようとする自分がいる場合がある。この歳になっても本当に気分に波があって、自分を制御できないことが多い。困ったものだ。

 自分をより深く知ろうとするほどに分からなくなっていく繰り返しの中で、難しさをいつも痛感する。キモを捉えたと思っても、いつの間にかスルスルと逃げ出して行ってしまう。分かったつもりになっていることが一番危険かもしれない。自分の存在を確かな揺るぎないものにしたいのだが、そもそも人間の心とは本質的に揺らぐものなのかもしれないと思い始めている。だとしたら答えなど見つけようがないのかもしれないが、どうなのだろう。霧はまだ深く、進むべき方向さえ未だ定まらない。

 「オレって、天才かも!?」って思うときあるよね~

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Fluctuation

 There are times when I am able to do amazing things. In general, it’s probably not a big deal, but for an ordinary person like me, it can be surprisingly good. I can do my work very “quickly”, or I can create something very “well”, or I can give a very effective performance in a presentation. These little miracles really only happen once in a while, but when they do, even if it’s only a few times, I get the wrong idea. “I’m so good at this! I thought.
 But I rarely get carried away with it anymore. When I do, it’s always in the context of a few people, whether it’s work-related or private, and it’s never something that involves a lot of money or people. The truth is that there is no way to get carried away. I just clench my fists in my mind. I just feel a small sense of self-satisfaction.

 But there are many times when such a small surprise makes me feel very happy. Maybe it’s because I usually think of myself as a “no-good” person, but somehow I feel proud. After all, deep down, I don’t think I’m a useless person, and I feel that there is an iron pride lying at the bottom of me that can’t be moved by anything. I suspect that I will not be able to change until that pride is broken or melted.

 On the other hand, there are times when I feel discouraged, wondering why I cannot do such a simple thing. This is the more overwhelming percentage. You know how much better you’ll feel if you do it, but you just can’t move. I wonder if this is something that only happens to me. There are times when I feel strangely weak and try to escape from my responsibilities. Even at my age, my moods really fluctuate, and I often can’t control myself. It’s a problem.

 I am always keenly aware of the difficulty in the repetition of trying to know myself more and more, the more I lose track of myself. Even when I think I have captured the essence, it slips away before I know it. Thinking that you understand may be the most dangerous thing. I want to be sure of my existence, but I’m beginning to think that the human mind is essentially a shaky thing. If that’s the case, then there’s no way to find an answer, but what do I know? The fog is still deep, and even the direction I should go is still undefined.

 There are times when I think, “Maybe I’m a genius!

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