Categories: Looking Back

変わってゆくものと変えたくないもの

 初めてワープロなる機械をいじったのは大学の頃だった。今から約30年前。当時はまだパソコン、いやマイコンと呼んでいたような気がする物は、存在はしていたのだろうが買おうなどとは思うことさえなかった。知識・理解を超えた代物だった。カセット式のリボンを交換しながら使うワープロは大学の卒業論文を書くために購入したんだったと思う。毎日のように朝日新聞の天声人語を打ち込んで練習したことを覚えている。苦手な「字を書く」行為を回避できることに希望を見出したのかもしれない。こうして30年後に毎日モニターに向かって同じような仕事をする日がくるとは想像すらできなかった。

 当時アルバイト先の後輩が肩からかけるハンドバッグくらいの大きさの携帯電話を持ってきて自慢げにしていた。今考えれば、あいつはお金持ちのお坊ちゃまだったのだろうか。バブルの終わりかけぐらいの時期だったと思う。移動しながら電話がかけられるなんて夢のようだった。けれども高価すぎたからか基地局がまだ少なかったからか、すぐに広く普及したわけではなかった。それからポケベルが流行り、PHSになり、随分小型になった携帯電話が多く使われるようになっていった。この30年間、電話に限らずあらゆる電化製品を取り巻く世界において、いわゆるデジタル化は我々の社会と生活の様子を大きく変えていった。

 新しい利潤追求の手段として、つまりお金をたくさん稼げる可能性を嗅ぎつけて企業・社会がデジタル進化を追い続けてきた。さらにこの波に乗り遅れては居場所が無くなってしまう恐怖が変化を加速させた。新しいアイデアをひねり出し、いち早く技術を開発し、そして情報をターゲットへ素早く伝え、売る。結果、世界の人々の間に巨大な貧富の差が生まれた。確かに便利な技術・環境が確立した。普段は会えない遠くに住む親戚や知人と容易に情報を交換することが出来、また例えばテレビ番組制作など以前は何千万円もする機材を使わないとできなかった作業が個人レベルでも可能になり、学歴・職歴に関係なく様々なバックグラウンドを持った人たちに多様なチャンスが広がった。かく言う私もこうして自分の思い・考えを広く伝えるためのブログが書ける。もはや誰にも止めることができない変化なのだと思う。

 「永遠」に思いを馳せる心が人にはあると思う。変わらずにあるもの、万物に通ずる真理、心が癒やされる場所。時代は変われど、変えてはならないと信じるものを変えずに保ちたいと思うのは私だけではないはずだ。それが何かをいつも探しながら、あるいはもうすでに見つけているのであれば常に本物かどうか確かめながら経験を重ねていきたい。純粋にデジタルの力で世の中の人の為に役立ちたいと本気で目指す人の心は、私は変わらないでいて欲しいと願う。

 あの初期型の携帯はほとんどどこにも繋がらなかった。あいつどうしてるかな。

aRanDy

 自分のものの見方・感じ方・考え方を伝えたい。心を開いて本当のことを書かないと伝わらないと思う。だから自分と精一杯向き合って心の言葉と巡り合えるように祈ろうと思う。取るに足らないことでもいい。伝えたいと思ったことを素直に届けたい。  聖書の言葉に惹きつけられ恩師に教えを乞いながら数年研究してきた。クリスチャンではないしキリスト教がどういうものなのか理解しているとは言い難いが、書いていく中で聖書の香りが漂うような表現ができれば嬉しい。そして誰かに勇気を与える一助になれば幸せだ。 ////////////////////////////////////////  I want to convey my own way of seeing, feeling, and thinking. I don’t think it will be delivered unless you open your heart and write the truth. Therefore, I will pray that I can face myself as hard as I can and meet the words of my heart. Though it might be insignificant for others, I want to deliver honestly what I want to convey.  I have been attracted to the words of the Bible, and studied for about four years while asking my teacher to teach me. I’m not a Christian and it’s hard to say that I understand what Christianity is, but I’d be glad if I could express it with the scent of the Bible as I write. And I would be happy if I could help give courage to someone.

Recent Posts

査定要素[Assessment Factors]

 洗礼を受けてクリスチャンにな… Read More

2024-05-04

黄昏の向こう側[Beyond the Twilight]

 先日お年寄りに対する見方が変… Read More

2024-05-03

Face to Face.

 人と人とで意思疎通を図ろうと… Read More

2024-05-02

止まらない悪口[Unstoppable Bad Mouthing]

 敵を作ったり、悪者を仕立て上… Read More

2024-05-01

輝ける人[Shining Person]

 お金になるかどうかに関わらず… Read More

2024-04-30

この世界で生きること[Living in this world]

 人数がある程度集まると、誰が… Read More

2024-04-29