Categories: Looking Back

入院(その2)

 大きな病院に来たことで幾分不安が取り去られた。あとはもうお医者さんに任せるほか手立てはない。開き直ったとも言える。救急で簡単な診察を受け、ちゃんとした検査は次の日にするということになり、有無を言わさず入院が決まった。とりあえずその日は強力な痛み止めを注射して痛みを抑えてもらった。その痛み止めが切れかかってくるとあの猛烈な痛みがキチンと戻ってくる。おかしな言い方だが、「これはちゃんとした病気だ」とやっと悟った。入院なんて中学生1年生のとき以来だと思う。面倒くさくて嫌だった。

 大きな病気はしたことがなく、風邪さえほとんど引かない丈夫な身体に育ててもらい、深く親に感謝している。だから一度このように病気をすると落ち込んでしまう傾向にある。この手に不安に慣れていない。しかしこの時は本当に痛すぎて不安を感じる余裕さえなく、全くの降参だった。
 痛み止めとは別に点滴を打たれていた。ずっと刺しっぱなしなのでトイレやシャワーも実に不便だったし、何より自分が病人のようで本当に嫌だった。それに少し良くなってくると退屈で退屈でどうしようもなく、イライラしっぱなしだった。友人が大事にしている「24」の全シーズンコンプリートDVDを持ってきてもらい、何とか凌いだ。

 胃カメラによる検査をする前に何かの薬を飲んだか注射したかしたときに、痺れと言うか、全身が一瞬ガッと熱くなったのを感じた。それまでに経験したことがない性質の刺激が全身を駆け抜けた。自分の力ではそういった効果を自分の身体にもたらすことはできない。とても恐かった。おそらくは劇薬だと思う。胃カメラ自体はそうでもなかったが、あの薬は恐い。麻酔の類いかもしれない。みんなはよく平気でいられるな~と感心する。もしまた胃カメラを飲むことになったら、またあの刺激を受けることになるのかと思うと躊躇する。動揺しながらも、とにかくその後初めて胃カメラを挿入した。
 よく分からないが胃カメラは小さな「手」みたいなものなのだろうか。胃袋を過ぎてさらに奥へ向かおうとする場所に心持ち白く変色している部分があった。そこをお医者さんが胃カメラで押してみた時に、ここ2~3日苦しみ続けてきたあの痛みが走った。「そこです、そこ!」と私が告げたことで検査はほぼ終了した。胃カメラを使ってはいるが、「押してみて調べ当てる」って随分原始的な検査だなと思った。でも場所を特定できたのは良かったはずだ。結果的にはっきりとした病名はつけられない程度だが、無理やりにつけるとすれば「十二指腸潰瘍」という診断だった。

 原因として考えられるのは『ストレス』だそうだ。心当たりがあり過ぎて失笑してしまった。ただストレスが病気に繋がってしまったのは初めてだったので、巷で言われている「ストレス病」がこの世に実在することを身をもって体感する結果になった。
 そういう未経験で想定外の出来事がジワジワ起こってくると恐ろしいし、衰えを感じずにはいられなくなる。この時は軽症でたった二泊三日のみの入院で事なきを得たが、一つムリをしないように普段から心がけるきっかけになった。精神的にキツいなと思ったら逃げるようにしていて、今では加減が分かってきたようにも思う。自分を追い詰めすぎず、期待しすぎず、いい意味で諦めてあげればいい。だって、あの痛みはもう二度と味わいたくないから。

 退院してすぐ生命保険に入りました

aRanDy

 自分のものの見方・感じ方・考え方を伝えたい。心を開いて本当のことを書かないと伝わらないと思う。だから自分と精一杯向き合って心の言葉と巡り合えるように祈ろうと思う。取るに足らないことでもいい。伝えたいと思ったことを素直に届けたい。  聖書の言葉に惹きつけられ恩師に教えを乞いながら数年研究してきた。クリスチャンではないしキリスト教がどういうものなのか理解しているとは言い難いが、書いていく中で聖書の香りが漂うような表現ができれば嬉しい。そして誰かに勇気を与える一助になれば幸せだ。 ////////////////////////////////////////  I want to convey my own way of seeing, feeling, and thinking. I don’t think it will be delivered unless you open your heart and write the truth. Therefore, I will pray that I can face myself as hard as I can and meet the words of my heart. Though it might be insignificant for others, I want to deliver honestly what I want to convey.  I have been attracted to the words of the Bible, and studied for about four years while asking my teacher to teach me. I’m not a Christian and it’s hard to say that I understand what Christianity is, but I’d be glad if I could express it with the scent of the Bible as I write. And I would be happy if I could help give courage to someone.

Recent Posts

されど5km[However, 5km]

 久しぶりに少し走った。どのく… Read More

2024-05-06

何も変わっていない[Nothing Has Changed.]

 やりたい事、またやらなければ… Read More

2024-05-05

査定要素[Assessment Factors]

 洗礼を受けてクリスチャンにな… Read More

2024-05-04

黄昏の向こう側[Beyond the Twilight]

 先日お年寄りに対する見方が変… Read More

2024-05-03

Face to Face.

 人と人とで意思疎通を図ろうと… Read More

2024-05-02

止まらない悪口[Unstoppable Bad Mouthing]

 敵を作ったり、悪者を仕立て上… Read More

2024-05-01