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空への階段

 結局今日も15km完走することができた。それは良かったのだが散々だった。今週は比較的仕事が忙しくて早めに帰れる日が無く、天気も悪かったので走る機会を失っていた。夜間はただでさえ足元が見えにくいので危険を感じるし、その上雨天となると相当な覚悟を決めないとウェアに袖は通せない。夜間は胸にライトをつけて走るのだが、すれ違う人が「まぶしい」とつぶやくのがたまに聞こえる。本当にやりにくい。やはり冬の平日は難しい。土日は昼間に頑張るとして、平日に1回、10kmでいいので走れると体力・筋力がそれほど落ちることなく大分いい感じなのだが。特に水曜の夜はスイミングスクールを始めたのでさらにランニングを入れるのは体力的に厳しく、そうすると平日に走るには苦手な早起きする他はなくなってしまう。こういう理由で毎年冬場のランニングは休止していた。

 というわけで1週間ぶりのランニングになってしまい、15km最後まで保つかどうか結構な不安と一緒に走り始めた。2km過ぎた地点でもうその不安は的中してしまう。肺が、呼吸が苦しい。「これは保たないな、どこで引き返すか…」と考えていると、いつものコースが通行止めになっている。工事中で迂回させられてしまった。「何だよー、聞いてないよ!」と棒振りの人に聞こえないようにブツブツ言いながらタイムを気にした。通行止め区間が終わりいつものコースに戻りもう少し行くと、また通行止めになっていた。さっきの迂回は脇道にそれる程度でそんな大げさなことではなかったが、この2回目は防風林内のクロスカントリーコースに誘導されてしまった。普段のコースはアスファルトで高低差はあるけれども滑らかな坂の上り下りだ。しかし防風林内の地面は土や砂で足が取られやすく、特にこの季節は落ち葉で通路が覆われ石や松ぼっくりなど何がどこに落ちているか見ることができない。そして人工なのだがなるべく自然の風合いを残すよう不規則に作られた階段が続いていた。その環境に敢えて挑む人以外のランナーにはとても適しているコースとは言えない。私が走る目的は速いタイムで走ることだけではなく、足腰を鍛えて丈夫な体を作るためでもあるのでこちらのコースもありなのだが、考える間もなく突然コースを変更されてしまった境遇に怒りを覚えていた。螺旋階段を転ばないように慎重に下りて元のコースに戻るとハッと気が付いた。「あ、肺が苦しくなくなっている」。怒りが新しいエネルギーを供給してくれた。

 そんなこんなで何とか走り続けていると冷たい雨が落ちてきた。走り始めた時すでにポツリと降る気配があったのだが、とにかく今日は走っておかないと思い、降らないことを願いながらスタートした。雨はだんだん勢いを増して私の頭をパチンと叩いて流れ落ちていく。行き交う車のワイパーが激しく反復運動していた。体はすでに充分温まっていたが今日の雨は冷たく、徐々に体温と体力を奪っていった。8km地点近く、海に別れを告げて左へ曲がる曲がり角の手前200~300mくらいのコースが上り坂になっている。その場所を走ると角度的に空に向かって昇っていくような感覚に陥る。「なぜこんなに頑張っているんだろう。なぜこんなに走るんだろう。」と自問しつつ冷たい雨に打たれながらその“空への階段”に差し掛かると、喜多川泰さんの本を思い出した。「未来にあなたと出会い、あなたに助けられるだろう未だ見ぬ人々が、目の前の高い壁の向こう側であなたの応援団となって今、声援を送ってくれている。その応援に耳を澄ませ、感じ、その人たちのためにその壁を強く乗り越えなさい」。正確ではないがそんな意味あいの言葉があったはずだ。今走ることが喜多川さんの言葉に応える行為なのかは知りようもないが、もし私がその主人公の“あなた”だったならと勝手に追体験し、少し興奮状態でもあったのだろう、「今は走ることでしかその壁を越えることはできない」ともう一度気合を入れ直した。

 気合だけで15kmはなかなか走り切れない。11km過ぎて腰からお尻にかけて痛みが出てきた。先週の15kmでは全く感じなかった痛みだ。そうすると余計なところに力が入るのか、両太ももがいわゆる棒のように硬くなってくるように感じる。ここまで無理をしてしまうと明日以降が返って大変になる。やはりあまり日を置かずに無理をしない程度のトレーニングを重ねるに越したことはない。雨は降ったり止んだりを繰り返していた。吐く息が白い。凍えそうな状況の中やっとの思いで完走を果たし、ストレッチもそこそこに家へ駆けこんだ。風呂へ入ろうとするが体に密着する素材の防寒ウェアが脱げない。冷えて感覚を失った手がかじかんで力が入らないのだ。熱いシャワーを浴びながら疲れでしばらく動けなかった。にもかかわらずタイムはさほど悪くはなかった。あのクロカンコースが無ければ6分/kmは切れていたかもしれない。不安と怒りと気合と忍耐のドラマが終わった。タイムを見て「俺ってすげぇ~~!」と力いっぱい自分を褒めてあげた。たかが15kmされど15km。生きてるって感じた90分でした。支えてくれた神さまとイエス様に感謝します。

 さ、夕方はスイミングスクール。だ、大丈夫だろうか……。

aRanDy

 自分のものの見方・感じ方・考え方を伝えたい。心を開いて本当のことを書かないと伝わらないと思う。だから自分と精一杯向き合って心の言葉と巡り合えるように祈ろうと思う。取るに足らないことでもいい。伝えたいと思ったことを素直に届けたい。  聖書の言葉に惹きつけられ恩師に教えを乞いながら数年研究してきた。クリスチャンではないしキリスト教がどういうものなのか理解しているとは言い難いが、書いていく中で聖書の香りが漂うような表現ができれば嬉しい。そして誰かに勇気を与える一助になれば幸せだ。 ////////////////////////////////////////  I want to convey my own way of seeing, feeling, and thinking. I don’t think it will be delivered unless you open your heart and write the truth. Therefore, I will pray that I can face myself as hard as I can and meet the words of my heart. Though it might be insignificant for others, I want to deliver honestly what I want to convey.  I have been attracted to the words of the Bible, and studied for about four years while asking my teacher to teach me. I’m not a Christian and it’s hard to say that I understand what Christianity is, but I’d be glad if I could express it with the scent of the Bible as I write. And I would be happy if I could help give courage to someone.

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