自動車レースの世界最高峰に「F1」というカテゴリーがある。「F」はフォーミュラの頭文字で、「1」は第一番目のという意味だと理解している。「自分が世界で一番自動車の運転がうまい」と信じて疑わない人たちが、時速300kmを超えるスピードで疾走し、つまり命をかけて、一番早くゴールすることを目指す。

 このF1について日本での人気は、今年また新たに日本人ドライバーが参戦して、少しずつ回復傾向にあるのかもしれないが、昔に比べると随分とすたれてしまったように感じている。かつて1987年に中島悟さんがF1にデビューしてしばらくは、ちょっとした社会現象になるほどの人気だった。アラン・プロスト、ナイジェル・マンセル、ネルソン・ピケ、ゲルハルト・ベルガー、ジャン・アレジ、ミカエル・シューマッハなど、他にも今でも空で名前が言えるほど、私も熱狂的に楽しんでいた。彼らは私にとってはアイドルだった。
 カナダに住んでいた頃、モントリオールでF1カナダGPが開催されたときに、決勝には行けず予選2日目だけだったが、実際に現場に駆け付け観覧した。あまりのマシンの爆音におののいた。余談だがモントリオールの街中でミカ・ハッキネンに偶然出くわした時、柄にもなく「ハ~イ!ミカ!!」と思い切って声をかけてみた。振り返ってくれたミカは、とても大柄でめちゃめちゃイケメンだった。ミーハーとはあの時の私のことを差すと思う。

 その中で「音速の貴公子」と呼ばれたアイルトン・セナという、トップドライバーがいた。3回ワールドチャンピオンを獲得していて、強さと人気を兼ね備えた、私見だが、世界で最も著名なレーシングドライバーだと思う。彼が絶頂期にレース中の事故で亡くなったことがそう思わせる理由の一つでもある。テレビで事故のシーンを観ていたが、亡くなったことがいつまでも信じられなかった。いや、信じたくなかった。
 ブラジル人だった彼の遺体が空輸され祖国に戻ったとき、ブラジル空軍の戦闘機が出迎えたシーンをよく覚えている。地上では100万人以上の国民がセナを迎えたということだ。ブラジル政府が葬儀を執り行い、国葬としたとのこと。英雄への感謝の表し方なのかと思う。

 そんなブラジルの国民的英雄セナの逸話の中で、私がとても印象に残っているエピソードがある。セナがF1カテゴリーで初めて完走を果たしたレースでの事。6位でゴールしたあと力尽き、マシンに乗ったまま疲労で失神してしまい、メカニックから助け出されたそうだ。その後モナコGPでの6勝をはじめ、41回もの優勝を重ねるわけだが、そんな天才と呼ばれたほどのセナでも、初めての時は気絶してしまっているのだ。それだけ経験がないということは、「大変なんだ」ということを証明していると思う。
 私は特に若い人が何か新しいことに挑戦していて、頑張りつつもちょっと疲労の色が見えた時にはいつも、「セナも初めての時は失神したらしいよ」と励ましの声をかける。ただ最近は、「セナ」と言ってもポカ~ンとする人が多いのが、ちょっと悲しい。

 そのうちF1は、電気自動車レースになっちゃうのかな~?

aRanDy

 自分のものの見方・感じ方・考え方を伝えたい。心を開いて本当のことを書かないと伝わらないと思う。だから自分と精一杯向き合って心の言葉と巡り合えるように祈ろうと思う。取るに足らないことでもいい。伝えたいと思ったことを素直に届けたい。  聖書の言葉に惹きつけられ恩師に教えを乞いながら数年研究してきた。クリスチャンではないしキリスト教がどういうものなのか理解しているとは言い難いが、書いていく中で聖書の香りが漂うような表現ができれば嬉しい。そして誰かに勇気を与える一助になれば幸せだ。 ////////////////////////////////////////  I want to convey my own way of seeing, feeling, and thinking. I don’t think it will be delivered unless you open your heart and write the truth. Therefore, I will pray that I can face myself as hard as I can and meet the words of my heart. Though it might be insignificant for others, I want to deliver honestly what I want to convey.  I have been attracted to the words of the Bible, and studied for about four years while asking my teacher to teach me. I’m not a Christian and it’s hard to say that I understand what Christianity is, but I’d be glad if I could express it with the scent of the Bible as I write. And I would be happy if I could help give courage to someone.

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