ボランティア志望の動機

投稿者: | 2020-12-11

 元々人が好きで人の心について関心があり、大学で心理学を専攻しました。入学した時はカウンセラーになりたいと思っていましたが、当時はまだ職業としてはあまり機会が少なく、いつしかそんな夢を持っていたことさえ忘れてしまっていました。実際に大学では心理学の勉強を頑張ったことはほとんど無く、流れるままに人生を過ごしてきました。そして50歳台半ばを迎え、「悩む人の力になりたい」という気持ちが心の中でとても大きくなり何かできないかと考えているときに、たまたま貴団体のことを耳にしました。「これだ!」と瞬時に身体が反応し、カッと熱くなりました。

 人生の中で私も「死にたい」と思ったことが何度かあります。最初は大学で最初の留年が決まったときでした。懸命に働いて私を東京の私立大学へ送り出し、かつ毎月仕送りしてくれていた両親に申し訳が立たず、絶望してしまいました。とにかく直接報告せねばと故郷に帰っては来ましたが、家に入る勇気がなくウロウロと彷徨い歩きました。そして橋の上から川を見つめていると「このまま飛び込んで死のう」と思い立ちました。死ねばこの苦しみから逃れられると思ったからです。欄干に肘をついて川の一点を見つめていると吸い込まれそうな感覚に襲われたことを覚えています。しかし私が勝手に死ぬのはいいですが、もし私が死んだら両親がとても悲しむだろうと、これ以上悲しませてはいけないと寸前で思い止まりました。今考えれば「一度落第したからってそんな大げさに考えなくても……」とは思いますが、当時の私にはそれが精一杯の偽りのない心境でした。あの時の気持ちは忘れられるものではありません。両親が心の中で私と共にいてくれなければ、あの時命を絶っていたと思います。

 私はクリスチャンではありませんが、聖書の言葉に希望を見出し神さまとイエス様を信じる人間です。新しい明日がやって来ることは当たり前ではありません。私たち一人ひとりは弱い存在ではありますが、きっと孤独ではありません。困難の中にある方たちと共に、平凡な日常に感謝し、この世に生命を与えられている喜びを分かち合い、新たな光を見つけられる一助になればと祈ります。

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