Léon

投稿者: | 2021-05-17

 映画を観ようと思って、テレビでアマゾンのプライムビデオの画面を立ち上げ、どれにしようかと選んでいると、だいたいアクション映画に決まってしまう。自分でも本当に好きなんだな~と思う。最近はこのブログを書くネタを常に探しているので、ネタになるような印象的な映画であると非常に助かるのだが、だいたいドッカンバッカンと、やたらと爆発するシーンが連発するものを観てしまう。印象的なアクション映画ももちろんあるが、“印象”の意味合いがちょっと違う。「すげぇ~」とか「スッキリした~」など、単純に「面白かった」で、通り過ぎていってしまう場合が多い。そんなあっさりした感じではちょっと書けない。

 アクション映画には違いないだろうが、もしかしたら私が一番好きかもしれない映画に「レオン」がある。もともと「ニキータ」というフランスのスパイ映画が大好きで、恐らくハリウッドの映画制作者たちもこの「ニキータ」に目をつけ、これを作った監督を招聘したのだと思う。リュック・ベッソンというそのフランス人監督がハリウッドへ進出して第一作目の作品がこの「レオン」なはずだ。「ニキータ」はとてもいい映画だと思うが、やはり私の好きなハリウッドの映画に比べると、低予算で作られている。その地味さ、薄暗さがまたたまらないのだが、私はやはりこの感性を持つ監督に充分に予算を与えて、思う存分作ってみて欲しいという願いが強く、それが実現していよいよ期待は高まっていった。

 「レオン」には今思い出してみても非常に印象に残っているシーンが多く、私の感覚を絶妙に刺激する大好きな映画だ。映像表現のセンスが素晴らしいと思う。シーンごとにどこが好きなのか語りたいくらいだ。「人付き合いが苦手で、正確無比なプロの殺し屋が、ある少女との出会いから人間を愛することに目覚めていくうちに、徐々に強さを失っていく」というストーリー。主演のジャン・レノの演技は飾りっ気がなくて良かったと思う。
 それ以上に良かったというか、ああいうのを「怪演」と言うのだろうか、悪役のゲーリー・オールドマンの演技が強烈に印象に残っている。一つシーンを取り上げると、麻薬を摂取したときの人間の本当の反応は「ああなるのか」と感心してしまった。麻薬のシーンをあんな風に演技する人は他に見たことがない。演出もあったのだろうとは思うが、それにしても迫真だった。あれがリアルに近いかどうかは確かめようがないのだが。
 ナタリー・ポートマンの秀逸な演技と可愛らしさは、この映画の質を格段に押し上げたと思う。殺し屋と少女の、年が離れた者同士の恋愛とは呼びにくい、でもやっぱりしっかり「恋」の行方を、観る人はみんなハラハラしながらじっと見守っていたと思う。その甘酸っぱさとせつなさが、最後スティングの曲に乗って私の胸を通り過ぎていった。主人公がプロとしての“強さ”を失っていくことで、人間らしさを獲得していく様を描いたこの映画を、やはり単なるアクション映画と呼ぶことはできない。

 だがしかし、私はアクション映画が好きなのだ。ネタ探しのために賞を取ったような感動的な映画を探すことはしたくないし、観たくない。観たいと思ったときに出会った映画を観ればいい。そこはありのままの自分で通したいところだ。正直“ドンパチ”がちょっとうるさいなと思い始めているのも事実なのだが。

  まさか、マチルダとダースベーダーが結ばれるとはね!?

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