マイブームと呼べるほどの熱狂はもう過ぎてしまったが、「ナンプレ」とか「数独」とかと呼ばれているゲームにハマっていた。任天堂DSの「脳トレ」内でよく出てくるものだ。今でもたまに少し時間が空くとやっている。始めてからもう一年が経つ。解くのが難しいから闘争心が掻き立てられてハマってしまった訳だけれども、一年経ってもなかなか慣れずまぁ難しい。1問解くのに早いと10分~15分、寝ぼけながらやっていると1時間くらいかかってしまうこともある。
最初はヒントなど何も見ずに自力で取り組んでいたが、あまりに難しく時間がかかってしまうので答えを先に見て考察したり、“解き方のアドバイス”を参考に導き出された数字のメモを書き込みながら解いていくやり方を習得していった。今は問題によって時間がかかったとしても解けない問題というのはなくなった。新聞や雑誌にたまに掲載される時があり見つけると必ず解きたくなる。一番簡単なレベルだと全くメモを取らずに頭の中だけで解き、あるいは残していいメモの数字を1マスにつき3つまでとか4つまでとかと自分で限定し制限をかけることで難易度を調整して楽しんでいる。難易度の低い問題用にExcelを簡単にいじってソフトも作成した。
老化防止のような謳い文句で“脳を鍛えるための本”などによく掲載されるこのナンプレ(数独)。確かにやっていると面白い。では何が面白いのか何故こんなにハマってしまうのかと考える。簡単に言えば答えが必ずあるからだと思う。そこには人間の感情、体調やその日の天気など状況によって変化するものに一切左右されない完全無欠な真実の答えがある。万物に精通する真理を追い求める中で、この数字の世界における一つの事実・真実は強烈なヒントになると思う。「人間の世界では1+1は2に限らず『10』にも『-2』にもなり得るんだよ」という人がいる。クリスチャンを目指す者としては、そういう計算できない世界に生きるべきなのかもしれない。しかしもう一方でやはり私たちの住む世界では1+1=2なことは事実だ。ナンプレの話に戻ると、その当たり前の真実に行き着くための道が険しいことが私には非常に魅力的なんだろうと思っている。解けた時の爽快な気分とホッとした感じはたまらない。
母がやっているいわゆる“脳を鍛える本”をパラパラと眺めていると、そのナンプレの部分だけが手をつけずに飛ばされている。どうも母には苦手の部類のようだ。確かにこれにハマっているという人を聞いたことがない。私の周りでは数字にまつわることは敬遠されがちな気がする。そういえば一世を風靡したあのDSトレーニング「脳トレ」自体も今は耳にしなくなった。ナンプレ本も書店での陳列でだんだん冊数が寂しくなってきている。まぁ、ハマり仲間を作ったとして「あの本の○○問目が難しかったよねー」などと面白さを共有できる性質の趣味ではないのは確かだろう。あまり口外せず密かに楽しもうと思う。いつか飽きる日が来る、その日まで。
理数系だったかなぁ……。