特に冬場は一時間以上湯船に浸かるのが普通だ。スイミングスクールの日は更衣室でシャワーを浴びて、もうそれで済ませてしまうが、家にいるときの私のお風呂は長い。湯船で気持ちよくなって、居眠りすることも多々ある。非常に危険なのは重々承知なのだが、一度どっぷり浸かってしまうとしばらくは体が動かない。そろそろそういう習慣も卒業しないと、お風呂で溺死なんてこともあり得るなと危惧している。
お風呂に限らず、一人でいると物思いにふけってしまうことがある。ポカ~んと、恐らく生気のない表情になっているかと思う。たまに思い出し笑いをしてみたり、他人が見たら気持ち悪がられるかもしれない。でもそんな時間がどうやら私には必要なようだ。神経を集中するお祈りとも違うし、眠っているわけでもない。瞑想というほど格好がいいものではないが、それが一番近いかなと思う。緊張を解いて、自由気ままに思いを巡らせる一時は、私にとって貴重なリラクゼーションになっている。
以前に「日本を休もう」という、どこかの旅行会社が作ったのかJRさんだったか忘れたが、「旅」を啓発する宣伝キャンペーンが素敵だということで、話題になったことがあった。良く働く日本人に向けて、「仕事もいいけど、ここらで少し休みませんか」という優しいお誘いの提案ということだろう。私も感化された記憶がある。休みは必要だ。
一生懸命に働く人たちがいる。体調が心配になるくらい昼も夜も区別なく働き通しで、いつ眠っているのか不思議になるくらい。最近は「働き方改革」というものがあって、状況は改善されているはずだが、さぁ、どうだろう。実際に改革は成されているのだろうか。
どの業界でも一番下っ端の状況は変わっていないのではないかと疑ってしまう。例えばテレビ局のいわゆるADと呼ばれる人たちは大丈夫だろうか。帰宅する時間がなく、スタジオで寝泊まりして、人として“消耗”していないだろうか。他方で、上役の人たちであっても、たとえオフィスや現場に出勤していなくても、頭の中が仕事のことで常に忙しい人たちは多いのではないだろうか。夜の接待や休日のゴルフも、私に言わせれば、それは仕事だ。つまり上も下もなく、仕事に一途な人は止まろうとしない。止まれない。それはある意味とても幸せなことだと思う。夢中で取り組めることに出会えるのは、誰もが達成できる目標ではない。ただ、彼らの心は擦り切れていないだろうか。
かつて私は昼も夜もなく働いた。せっかく立ち上げた自分の会社を潰したくなかった。しかし長くは続かなかったし、いろいろ擦り切れていってしまった。幸運にも定期的な仕事をいただけるお客様と出会えたので、何とか潰さずにここまで来られたが、かなり際どい道を辿ってきた。
頭と心のメンテナンスはとても大切だと思う。たまにはボケ~っと何も考えないこともお勧めする。働かなくては状況が許さない事情があることもよく分かる。でも一つ言えることは、働きすぎると周りの人を傷つけることがあるということ。
働かない奴ぁ、もっと多いけどね!