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投稿者: | 2021-05-30

 宇宙は相当に広いらしい。どれだけ広いかと言えば、むちゃくちゃ広いらしい。夜空に輝く星も、もしかしたら何年も前にすでに消滅してしまいもうその場所には無くて、過去に放った光だけが地球へようやく到達し、我々にあたかもそこに存在するように輝いて見えているだけなのかもしれないということだ。何を書いているのか自分で分からなくなってきたのでこの辺にしておくが、とにかく宇宙はやたらと広いらしい。

 あまりにも広いおかげで、我々のような「知的生命体」が宇宙のどこかに存在する確率は、ちょっと疑いたくなるほど高いそうだ。論理的にはどうも宇宙人はいるらしい。いるのはいるとしても、我々と交流するのは物理的に難しいのだろうと思う。彼らが双方を行き来できるような移動手段や乗り物など、我々よりも優れた科学技術をもっている確率はどのくらいあるのだろうか。優れた文明がこの宇宙のどこかに存在するのなら、どうして私たちに連絡してこないのだろうか。交わりを持っても意味がないと思っているのだろうか。

 大好きな映画の一つに「コンタクト」という映画がある。ジョディ―・フォスター主演のSFアドベンチャーだ。一人の有能な女性科学者が宇宙への可能性に心を捕らえられ、宇宙人との交信を試みる努力を長年に渡り続けた結果、ついに宇宙人と遭遇するストーリー。この映画、ホントに凄くいい。幼少時代から大好きな「スタートレックシリーズ」を抑えて、私の好きな映画、SF部門で堂々の第一位に君臨している。
 SFなので「リアル」という言葉が適当かどうか分からないが、現実にあり得そうな気がする舞台設定になっている。もし本当に地球人と比較にならないほど飛び抜けて優れた技術をもっているとしたら、彼らはこの映画のような手段で地球にコンタクトしてくるのではないかと思える。数ある「宇宙人を侵略者として敵視扱いする映画」と違い、友好的な宇宙人像は考えてみると新鮮だった。ファーストコンタクトのシーンで主人公の警戒心・緊張感を和らげる目的で、宇宙人が主人公の亡くなった最愛の父親の姿を借りて登場したときは、ちょっと拍子抜けしつつも、「なるほど」と唸ってしまった。宇宙人は全ての要素・可能性を考慮して、一番優しい方法で主人公に接してくれた。
 技術的にも、カメラワークや随所で効果的に使われていたCGと合成映像も非常にクオリティが高く、素晴らしかった。お勧めの一品。

 この映画の中でもう一つ隠れていた要素に気づいた。それは主人公が幼いころに死に別れた父親と、本人ではない仮の姿ではあるが、もう一度会えたこと。これによって彼女がようやくその悲しみを受け入れることができ、乗り越えて次の一歩を踏み出し始めた姿が描かれていると思う。宇宙人は彼女が今まで出会ってきた他の誰よりも優しく、“人間的”だったのだ。「お父さんはいつもあなたを見守っていらっしゃるよ」と伝えたように私には観て取れた。
 映画のパワーは凄い。せっかく出会えたのだからどんな映画でも押され過ぎず、表現されているメッセージを一つ残らずすくい上げたい。

 ペンサコラに行ってみたい。

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