Movie Theater

投稿者: | 2021-09-25

 「老い」が影響しているのか定かではないが、どうしても苦手なものがある。アミューズメントパーク等によくある「VR」だ。もしかしたら若い頃からあの立体的な映像体験システムは苦手だったかもしれない。苦手なんてものではなく、2年ほど前は吐く寸前まで気持ちが悪くなったことがある。酔うのだ。もうダメだと思ったら目をつぶってじっと終わるのを待っている。何回チャレンジしても一向に慣れる気配がない。思い返すと随分昔のディズニーランドに「キャプテンEO」という、マイケル・ジャクソンさんが主演していた短編の3D映像があったかと思うが、もはやあの頃から違和感を感じていた。今では技術が発達しているだろうし、そういう人への対策が進んでも良さそうなものだが、私にとっては全く改善されていない。これからも縁がなさそうで、非常に残念。

 VRシステムだけでなく映画館でも、座席が動いたり、水しぶきがかかったり、匂いがしたりと、映画の中の現場に本当にいるような臨場感を観る人に感じてもらうために、あの手この手で工夫がされているそうだ。本当にすごい時代になったものだと思う。でもそれくらい頑張らないと、映画館にお客さんが足を運ばなくなっていることも事実だ。コロナもあって、特に最近は映画館に行こうという気運さえ失せてしまっていると思う。実際に私も最近いつ映画館に行ったか覚えていない。

 1年とか短い期間だったが、20歳くらいの大学時代に東京のある映画会社でアルバイトをしていた。何の映画のキャンペーンだったか忘れてしまったが、映画監督のオリバー・ストーンさんをその会社が招いて、記者会見を開いたり、映画雑誌のインタビューに応えてもらったりして、劇場公開の宣伝活動を行っていた。そのお手伝いでちょっとだけ関わらせてもらったことがあった。
 あの「プラトーン」のオリバー・ストーンさんを目の前にして、緊張しっぱなしで何もできず、結局ホテルの受付に花束を届けることくらいしかできなかった。記者会見で記者の質問内容が映画のことから離れていきそうな雰囲気になったら、手を上げて質問し流れを引き戻せと言われていたが、それも緊張してモジモジしている内に終わってしまった。帝国ホテルの比較的広めの部屋だった。何もできない自分が悔しかった。そういう大事な場面で活躍できると、また人生違ったんだろうなと思う。

 一人でも多くの人に映画館で映画を観てもらおうと、多くの人々が働いている。しかし、どうだろう、時代の流れは「お家で映画」の方向へ突き進んでいるように見える。お家に限らずスマホやタブレットを使えば、出かける先々で様々なコンテンツを容易に視聴できるようになった。インターネットを介した動画配信システムも非常に便利で、どんどん広がっている。もう大金を払って大物スターに来日してもらい、大キャンペーンを張ることも無くなっていくのかと思うと寂しい。
 本当に時代は変わっていくのだと、映画館のことだけ考えても強く感じる。それも極めて急速な変化が起きている。果たして私はこの変化について行けるのか、それとも疲れて放棄し、諦めてしまうのか。映画館のことに限らず。

 若い人はデートとかで行かないのかな~?

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