オフィル

投稿者: | 2021-02-27

 「アミ 小さな宇宙人」という本を読んだ。さくらももこさんの挿絵が入った可愛らしい本だ。表紙を見ると子供向けの絵本かなと思うが、実は子供が理解するのは難しい内容だと思う。主人公は10歳の設定。その年齢にしては色々分かり過ぎていて無理がある。まぁ、その辺のことはフィクションとして気にせずに読んだ。終盤にさしかかった辺りで、天国のような描写の空間を「素晴らしい世界!皆が、すべてがこうでなければならない」というような、私の嫌いな“押しつけ”の調子が強い部分があり、そこは抵抗感を覚えた。みんながみんな美しくきれいな世界に憧れるはずはなく、汚いのが好きな人もいるわけで、「これこそが唯一の正解!」という意味合いの表現に自然と眉間に皺がよった。どうやら私は汚れすぎているようだ。

 この本の前提として、「ここに書いてあることは素晴らしいことばかりなので、大人は面白くないでしょう。」とある。これを私はあまのじゃく的に、「大人にも読んで欲しい」と読み取った。内容は難しいし、主人公は年齢設定をはるかに超えて社会に精通しているようだし、前書きに「大人は読むな」的な挑発とも取れる表現がある等を総合的に分析しても、大人への“勧め”が窺える。で、大人の私が読んだわけだが、“”耳が痛い”内容がたくさんあった。大きなテーマとして「愛」があったと思う。「この世界を構成している根源が『愛』であることを忘れてしまったのですか?」という問いが、ファンタジーという設定に隠れて、大胆に投げかけられていると感じた。皮肉ともとれる。「愛」、毎日お祈りしていても忘れている。

 先日にも触れた、ジェームズ・アレンさん著の【「原因」と「結果」の法則】の中でジェームズさんは、「神は私たちの内側にいて、私たちの『思い』こそが神だ」と書いている。私はこれに違和感があると書いた。今回この「アミ 小さな宇宙人」では「神は愛そのもであり、愛が神である」とされ、そして主人公へ告げられるという形で「きみは神が変化したものであり、神と同じ物質からできている。君は愛なんだよ。」と説かれている。どちらの本でも神さまは一人一人の中にいらっしゃると言っていると思う。私の中ではまだ違和感は残ったままだが、何だか今こうして書いているうちに、薄れていっているような気がしている。私の指先や腕や足も、心も身体も、彼も彼女も、そして生きとし生けるもの全てが愛であり、神さまの分身だとしたら……。それってクリスチャンなら当たり前に知っていることなんですか?だとしたら、私は全く資格なしのダメ男くんでした。

 鵜呑みにはまだしない。私なりに考察・検証したいと思う。ただ強烈に惹かれるヒントであることは間違いない。神さまは私にとって、イエス様のお名前を通さなければ、祈りが届かない遠いところにいらっしゃる存在だ。私は目に見えるものに拘り過ぎているのだろうか、神さまをある種の物質というか、有機体のようなイメージで認識している。どこかに“いらっしゃる”感じで漠然と意識していた。もしかしたら根本的に間違っているのだろうか。

 また繰り返しになるが、人を引っ張っていくには、「強い表現」が必要なのかもしれない。

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